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日本の食糧事情のお話
- 2020.10.07
*飽食と栄養失調が同居する、日本の食糧事情
いま日本は、世界を代表するほどの飽食国家になっています。ただ全体的にはメタボとか肥満とか栄養過剰が指摘されているのですが、ある一部では深刻な栄養失調が問題視されているのです。
それがミネラル不足です。厚生労働省は、毎年国民栄養調査を発表していますが、それによると五大栄養素のうち炭水化物、タンパク質、脂質は過剰摂取の傾向にあります。しかし、ことミネラルに関して言えば、一日の目標摂取量を大きく下回っているのです。
丈夫な歯や骨をつくり。心臓機能や血液の状態を正常に保つ働きのあるカルシウム、またさまざまな酸素の働きを助け、タンパク質の生成をサポートするマグネシウム、体内や脳に酸素を運搬する赤血球中のヘモグロビンの構成要素となる鉄分など、主要なミネラルが、ことごとく摂取目標値に届いていないのです。
このミネラル不足が、疲れやすい、体がだるい、などから始まり、恐ろしい病気へと進展していくのです。
なかでも厚生労働省が指摘しているのはカリウムです。カリウムは高血圧や脳卒中とも深い関わりがあるため、「生活習慣病予防のため、日本人はもっとカリウムを摂取すべき」とわざわざ明記しているのです。
日本人の平均摂取量は、厚生労働省の定める目標値の六割から七割、アメリカ高血圧合同委員会の定める目標値の約半分です。ミネラルは車に例えるとエンジンオイルの役割を果たします。炭水化物、タンパク質、脂質はガソリンです。いくら高性能のエンジンにガソリン満タンでも、エンジンオイルがなければ、焼き付いて車は走ることができません。それと同じで、ミネラルがなければ、三大栄養素は何の役にも立たないのです。
参考文献 WCI Vol,20
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